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URBAN COWBOYのレヴュー 「ピンクフロイド/狂気」

 

 

 

 

 

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RANDAM   REVIEW

URBAN COWBOY塚田哲也が熱く語るYMO 「BGM」! NEW   

CGアーチスト、ノイジシャンとして活動中のURBAN COWBOY・塚田が今回読み解くのは、「YMO/BGM]。 「BGM」は、ノイズや テクノ、音響系の元祖だ!! 」

 

YMO「BGM」・・・そしてYMOはノイズ化した!!

 TETSUYA TSUKADA FROM URBAN・ COWBOY   

                                塚田哲也(URBAN COWBOY)

最近の若い子はテクノやトランスを聴いていても、YMOは知らない (聴いたことがない)かもしれない。でも全盛期のYMOの人気は本当に 凄かったんです(社会現象!!)。YMOというのはイエロー・マジック・ オーケストラというバンド名を略したものなんですが、彼らの2枚目の アルバム「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」(1979年)が 爆発的に売れ、日本中でYMOのピコピコ音が鳴り響いていたゾ(笑)。 メンバーは元はっぴいえんどの神秘主義的な細野晴臣さん、芸大出身で アカデミックな坂本龍一さん、元サディスティック・ミカ・バンドの ポップな高橋ユキヒロさんの3人組です。伝説のテクノ・バンドですね。 そんな彼らのアルバムが最近再販され、また音楽が再評価されている のですが、僕もアルバム「BGM」を聴き直してみたら凄く面白かったんで 何か書いてみたくなった。  

しかし「BGM」(1981年)は当時、評判が悪かったな(笑)。これま でのYMOはディスコ風のリズムに明解なメロディが乗っかった調子のいい ポップな曲を作っていたんですが、「BGM」では一転、暗くて重々しく難解 なサウンドに変化している。当然セールスにも影響して、前作「ソリッド・ ステイト・サヴァイヴァー」が100万枚にたいして「BGM」は30万枚 だった(それでもこれだけ実験的な作品が、予約だけで10万枚も売れた のは凄いが・・・)。評論家の間でも評判、悪かったもんね。ギョーカイ の人も”YMOが売れない・・”とボヤくし。しかし、今 聴き直してみると これが、どーしてどうして、偉大なアルバムなのですよ(笑)。「BGM」の 独特のザラザラした不明瞭な音・・・まあ現在のノイズ音楽に接近したと いっても、いいと思いますが、それにしてもサウンドの変化はどうして 起こったんだろう??

YMOは「BGM」では、これまでと録音方法を大幅に変えている。例えば ドラムのスネアのリムにイシバシ楽器特注のノイズ発信機をたくさん つけて、民生機の8チャンネル・レコーダーで録音してから、3Mのデジ タル・レコーダーにダビングしている。またシンセ(すべてプロフィット 5を使用)もアンプで鳴らしてマイクで拾うという”倒錯”した方法で 録音している。つまり、わざわざ”音を悪く”してるんだろうけど、どう してなのか? 再販されたCDにはオマケで3人のインタビューが付いて いるんですが、ヒントになる発言を拾ってみます。

細野「これまでさんざんシンセサイザーで色んな音を作ってきたので、 もうだいたいわかっちゃったわけですね。それで、やっぱりスタジオ全体 の音作りっていう、ビートルズ以来の基本に戻っていったわけです。」

坂本「やっぱりシンセで作り上げる音の世界というのは、どうしても 単純すぎて。正弦波を重ねているだけではすぐ飽きがきちゃう、もっと ギザギザが足りないと。YMOみたいに、1回単純な音を極めていくと、 生楽器とか現実音の複雑さ、その複雑な音の良さっていうのが見えてくる。 歴史的にはそれの繰り返しですね。」

フムフム、同感ですねぇ〜!! ”現実音”って面白いよね、気が つかないだけで・・・。うちのURBAN COWBOYも”現実音(ネタ)”だけ で構築する音楽を極めていこうと思ってますよ(笑)。YMOの場合シンセ だけでなくギターも入れていたし、何よりユキヒロさんの生ドラムがいい。  「BGM」で再登場した坂本さんのソロアルバムからのカヴァー曲「千の ナイフ」はシンセ・ソロはメロディがはっきりしない不明瞭な音で、 明らかにノイズ化している。  

そして「BGM」の最後に入っている「LOOM 来たるべきもの」という曲 には当時の少年少女が理解不能だった”無限上昇音階”が入っているので すが、今だったら「ああスピードノイズの一種だな」と理解できるし、 後半の音は「チル・アウト(環境音楽)だな」と分かる。音響系の元祖 だと思う。

その後のYMOは「テクノデリック」(1981年)という世界初のサンプ リング・マシーンを使ったロック・アルバムを発表。さらに実験的路線を 押し進めた問題作だった。そしてこのアルバムには、サンプリングされた ”工場の騒音””声””ホッチキスの音”などの現実音が散りばめられて いる。  

坂本 「ワールド・ツアーでの、非常に整った正弦波の世界から、 「BGM」みたいなノイズを経由して、もっとギザギザの多い、複雑な現実音 に向かうという。方向性としては、一貫しているというか。」

「テクノデリック」はテクノの”墓場”というか、もう行き着くとこ まで行ってしまったんだ、きっと。そして「君に、胸キュン♪」なんて 唄ってたかと思うと、YMOはあっけなく解散(散開)してしまった。

 

これ以降は僕自身と周辺とYMO(解散していたが)との微妙な接点を ちょっと書いてみようと思います。当時、小学館が「写楽」という写真 雑誌を出していたんですが、この雑誌の関係で坂本さんとお会いした事が あります(イヤ〜緊張したなぁモウ!)。そのあと僕はJCGLというCG制作 会社に入ったのですが、ここのWプロデューサーが坂本さんと親しかった とかで、坂本さんのソロアルバム「音楽図鑑」のプロモーション・ビデオ の一部のCG処理をやっていたとか。また僕のCGの師匠である藤幡正樹 さんという作家がおられるのですが、藤幡さんのCGアニメ「マンダラ」と 「弥勒」の音楽を制作したのが細野さんでした。昔、細野さんが出した ”メイキング・オブ・ノンスタンダード・ミュージック”というレコード のオマケに付いていた本の表紙の”グロビュール”というCGキャラを 制作したのも藤幡さんです。(しかし、昔 よく先生に怒られた(笑)。 「塚田くんの絵は面白いんだけどね、まだまだだな!」とか言われて)。 渋谷にあった先生のスタジオにいた秘書というか助手の片あま君が、 今はスタジオ・ジブリで「もののけ姫」や「千と千尋」の一部のCG処理で 腕をふるっています。

YMOといえば芝浦にあったアルファレコードですが、フリーになってから 僕の絵の売り込みで一度、行ったことがあります。絵を見ていただいた ディレクターの方が喜んでくれて「面白い!! アルファレコードの 年賀状に使ってみよう。」と言ってくれたのですが、後で上司に反対され てボツになってしまったのでした。そのアルファレコードも今は無い(涙)。  

そして、これは最近なんですがゲーム&デザイン系のある専門学校の パーティで、サディスティック・ミカ・バンドの時代に加藤和彦さんや細野 晴臣さんのマネージャーをやっていたKさんという方とお会いしたんです。 最近はこういう凄い人が、ひょっこり専門学校でゲーム用ミュージックを 教えてたりするんです。  

この時に遂にYMOの”正体”を聞かされることになる!                                    K 「YMOはユキヒロだったんです。」                                              僕 「えっ!? 細野さんじゃ、なかったんですか?」                                     K 「違うんです。YMOはユキヒロがやってたんです。」  

僕はYMOはてっきり細野さんのバンドだと思っていた。しかし考えると 細野さんも坂本さんも自分の世界に入り込むタイプだし・・・・水と油の ような2人の異質な才能をコントロールして、バンドの形にしていたのは 実はユキヒロさんだったのだ!! 高橋ユキヒロ、恐るべし。そういえば オマケのインタビューの細野さんの発言で「彼(ユキヒロさん)には、 YMOの音作りをこういう方向に持っていこうっていう、明解な意図があった んですね。」   

これもKさんがしてくれたミカ・バンドのアルバムのプロデュースに、 ロキシー・ミュージックのプロデューサーとして有名なクリス・トーマス を呼んだ時の話。

K 「トーマスはねぇ、片方の耳が聞こえないの。」  それがMIXの時にわかって、みんなが慌てたと話してくれた。しかし トーマスがMIXしたピンクフロイドの「狂気」も「対(つい)」も驚異的に 音がいいんだがなぁ・・・ほんと不思議。                                                                           塚田 哲也 hotmenu@interlink.or.jp URBAN COWBOY  (2003.11.01UP)

 

塚田 哲也(URBAN COWBOY)プロフィール

1963年東京 生まれ。大学卒業後、CGプロダクション「JCGL」入社。 TV用CMなどのCGアニメーションをてがける。

1990年独立して、フリーのCGイラストレーターとして活躍。 雑誌「Oh! X」「03(ゼロサン)」「ニューズウィーク日本版」 「月刊PLAYBOY」などで表紙や扉の絵を制作。

1998年 CGビデオ「デジタルブルー」を発表。銀座山野楽器、 タワーレコード、HMVなどで発売。

2002年 「デジタルブルー」ブロードバンド配信のNTTブローバより 配信開始。

2002年 CM作曲家、TA、Cool(渡邊 卓)氏とのコラボレーション 作品「ネイキッドNAKED」をFM東京デジタルBSラジオでオンエア。

*この頃よりスタジオ内の扇風機、パソコン、水道水、換気扇などが 発するノイズの録音&エフェクターによる加工を始める。もともとは アニメーションに使用する効果音に使用する為だった。またエレキ・ ギター&ギターアンプを購入。(弾けません)昔から持っていた カシオトーンもいじり始める。

2002年11月 「トーキョーゾーン2」(フランス・パリ市)で 「デジタルブルー2」上映。

*2003年1月 「ノイズリラ」のMIXを開始。 *2003年2〜3月 「ジャンクリラ」のMIXを開始。

2003年3月 アーバン・カウボーイ URBAN COWBOY名義で初の 音楽CD(CDR)「ノイズリラ」発表。ディスクユニオンで発売。第二作目「ジャンクリラ」に続き、2003年秋には3作目「Ritual」をリリース。これは純然たるノイズ作品だが、「YMO/BGM」の影もちらついている??

塚田 哲也 (ホットメニュースタジオ) hotmenu@interlink.or.jp

URBAN COWBOYの作品“RITUAL” “JUNKRIRA”は japanoise.SHOPに出品されています>>