japanoise.net

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柘榴通信 其の1

 

柘榴通信 其の2

 

 

 

小説・「幻想曲」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TOP

Noisician's  Essay
立島夕子

立島夕子の柘榴通信  第三弾「ささやきの小道」   

異色画家にしてパフォーマー。ジャパノイズ界の狂気の歌姫・立島夕子の最新・書き下ろし「柘榴通信」、いよいよ待望の第三弾登場。前二回にも増して衝撃的な内容。立島夕子の精神史にとって決して忘れられぬ一日の、悪夢の記録  NEW 

 
 

  

「立島夕子の柘榴通信」  第三弾  「ささやきの小道」

 

2003年5月24日、書。

1995年11月6日、私は殺されかけた。

当時通っていた大学の帰宅路には樹木に覆われた長く細い小 道があり、そこを通らないと私はアパートに帰れなかった。あ まりにもうっそうとしたその小道では夕方になるとすでに真っ 暗になるので、そこを通る女子学生は皆、自転車で帰宅してい た。私もその一人だった。が、ある日自転車を盗まれた。その 日私は歩いて帰る予定だった。友人のNが「たっちゃん気をつ けてよーそんな格好で帰るなんて」と冗談まじりに笑っていた 。その日の私の服装はひらひらのプリーツ花柄のミニスカにロ ングブーツだった。

その小道は、「ささやきの小道」と呼ばれていた。

「すいませーん、国道16号ってどう行ったらいいんですか ー?」   時刻は夕方6時半。深緑の闇の道を数十秒歩いたところで背 後から呼び止められた。咄嗟に嫌な予感がした。私は振り向い た。「あ、ちょっとわからないんですけど・・・」と言った瞬 間、後ろから羽交い締めにされた。

「言う事聞かないと、殺すぞ」  男は私の口を塞いで私の耳元で、ささやいた。首筋にはナイ フが押し当てられていた。

空手1級。そんなものは何の役にも立たなかった。直感で勝 てないと察知した。相手が本気で私を犯して殺す気だというの も瞬時にわかった。死んだ母の顔が浮かんだ。私は賭けた。何 を?

この男に殺されず、この男が「人間」に戻ることを!

「わかりました、何でも言う事聞くからコロサナイデくださ い」塞がれた手のひらの中で私ははっきり言った。膝が笑って いた。お母さん、私を守って、死にたくない!                     この時ほど「死にたくない」と思った事は今だかつてない。 男は私を羽交い締めにしたまま側の薮に連れ込む時、様々な 事を聞いてきた。男「名前は何だ」私「ユリ(嘘)」男「苗字 は」私「タカハシ(大嘘)」男「学生証見せてみろ」私「今持 ってません(大大嘘)」男「お前処女か」私「処女です(真赤 な嘘)処女だから挿入だけはやめてください」男「殺すぞ」私 「私、母親が死んでるから死にたくないんです(これは本当) 殺さないでください」                                    男は私の右の首筋にナイフを当てたまま、私を薮に連れ込ん でペニスを出した。「とりあえずくわえろ」言われるままに、 死にたくないので必死でしゃぶった。私は命懸けで言った。「 怖いからナイフしまってください」男は「しょうがねえなあ」 とナイフをポケットにしまった。ブラウスのボタンを外され、 乳房を吸われた。        

その時、 ふと、私はその男を抱き締めたくなった。哀れに思えて。                                      いわゆる「ストックホルム症候群」を私は起こしたのだ。男が、可哀相な赤ん坊のように思えた。こんな事でしか勃起 出来ないなんて。 「下も脱げ」男は命令した。私はパンティーを脱いだ、しか し繰り返した、「挿入だけはやめてください」

「てめえ、なめてんのか、殺すぞ」 何度も「コロスゾ」とイワレタ、しかし私は膣に指を突っ込 まれながらも「ソウニュウダケハヤメテクダサイ」と繰り返し 懇願し続けた。「フェラしますから、妊娠したくないから」と まで言った。男の「コロスぞ」と私の「ソウニュウはやめて」 は30分ほど続いた。その間私は、胸も股も触られっ放しで、 腔内にはペニスをくわえさせられていた。男は使い捨てカメラ で私がしゃぶっている顔を撮影した。内心、写真部だった私は (馬鹿だな、その近距離で写してもボケボケになるだけよ)と 思った。「ヤラセないと学内に写真バラマクぞ」と男は脅した が、私は「バラマイてもいいから挿入だけはやめてください」 と言った。                        

男は沈黙した。 「じゃあフェラチオで我慢してやるよ」遂に男は諦めた。 髪の毛を鷲掴みにされてイマラチオされた。        「飲めよ」と男 は命令して私の腔内に射精した。むせて白濁汁を吐いたら「お い、大丈夫か?」と言われた・・・何やねん!     「金あるか」と聞かれて、死にたくないので1万渡した。「 少ねえなあ」とぼやきながら彼は金をしまった。そして最後に 一言、

「もう一人で歩くなよ」と言った。                            私は「ああ、思い知りましたよ」と吐き捨てた。                   「じゃあなー」と彼は走り去って行った。

後には、胸元をはだけて座り込んだ私だけが、薮の中に取り 残された。

私が本当に「狂って」しまったのは、この後の神奈川県警のセカンド・レイプな取り調べと、学生課の対応と、周囲の無理解な反応の為だった。                    

1995年11月6日午後6時半、立島夕子21歳。       

私の人生はこの瞬間から全てが狂ってしまった。

                           (2003.06.11UP)

 

立島夕子の妖しい世界にさらに足を踏み入れたい貴方に・・・・

ホームページ               「立島夕子の地下要塞

立島夕子の連作小説が読める!>> 小説・「幻想曲」