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柘榴通信その2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Noisician's  Essay
立島夕子

立島夕子の柘榴通信     

異色画家にしてパフォーマー。ジャパノイズ界の狂気の歌姫・立島夕子による、  待望の未発表・書き下ろしエッセイ、スタート!                      この美と恐怖が共存する世界に、君は足を踏み入れられるか?   NEW 

 
 

2003年4月17日、書。

私の住むボロアパートの寝室は、亜空間に繋がっている。  

居を決めた時点から、「あ、此処にはいるな」と察知した。                         

その禍禍しい霊気にも関わらずすぐに今の部屋を借りる事にし たのは、何故か不思議と居心地がよかったからだ。                    現在私は独 りぼっちでこの空中要塞に住み、描き、食べ、眠り、音楽を聴 き、猫と遊び、などしているが、本当は何十人とも同居してい る。しかし彼女や彼等は私の前では大人しい。押し入れのオン ナノコなんか、ただ正座して壁を見つめているだけで何もしない。                      しかし流石に寝室で寝るのは気がめいる。だから私は10畳の台所でほとんど生活し、寝室は絵の倉庫にしている。 何故なら彼女、彼等の住まう寝室には、あの世への入り口が牙を剥いているからだ。      寝室で眠りに落ちると、妙な安堵に泥のように眠りに雪崩れて ゆく。そう、「とりこまれる」のだ。  あの世という名の、子宮に。  

私の胎内にも、あの世が、ある。

私に寄ってくる男の人たちは、何故か皆何かしら病んでいる。病んでいない人間なんて本当はいないのだが、それよりも更に 破壊的に病みきっている。食虫植物に誘われる虫のように、彼等は私を抱きたがる。 実際抱かれてみる。私は知らないうちに 、ある時は意図的に彼等を「犯した」。                                                    私のあの世を覗いて落ちてイッタ男の人たちの何と多い事か。 

ねえ、最期の安堵を求めたの?

原罪の、私の子宮。

私は此処、この亜空間で、同居人たちと猫と一緒に、舌なめずりをして鎮座している。真っ黒な口紅を塗り付けて。

食われたいなら、おいでなさい。骨 までしゃぶりつくして再起不能にしてあげるから。

本当は食われているのは、私。                                

時間をかけて、ゆっくりと、 この部屋に、頭からかぶりつかれてゆく。                                本当に食われているのは、このアタシジシンなのだ、                            

 取り返しもつかぬほどに。                                                                                        (2003.04.27UP)

 

立島夕子の妖しい世界にさらに足を踏み入れたい貴方に・・・・

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