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平成の奇才・白石民夫が送るニューヨークはクイーンズからのメッセージ。        

今回はイーストリバーサイドでの、屋外パフォーマンスのもようが伝わってくる! 

2002年7月某日  

今回は、音楽に関係したお話しです。                              毎年、といっても、まだ3年目かな、今頃になると、友人の一人と、三日連続での川っぷちコンサートをやっています。一昨年は、イーストリバーぞいの公園の一角でやって。去年はハドソン川の川っぷちで、毎日場所を変えて、やっていました。            今年は、イーストリバーの川ぞいで、毎日場所を変えて、三ヶ所でやったのです。

で、まず一日目、金曜日です。                              

この一週間くらい前に、友人( Sean Meehan といいます。パーカッションです)から場所を聞いていて、「ああ、国連の近くネ」とかは知っていたのです。ところが、出かける直前に、地図で確認してみると、近くどころか、何と国連本部のまん前です。夜の9時からなのですが、実は、あいにくこの日は夕立で、8時頃には大雨でした。国連のすぐ前ってことで緊張している上に、この天気で演奏できるかなあ、と心配が重なります。まあ、でも9時頃に国連の前に着く頃には、雨も小降りになっていました。              国連の前の道の反対側に高さ10メートルくらいの塔のようなモニュメントがあるのですが、 そのモニュメントのまわりが、今日の演奏場所です。とにかく少し緊張しているのですが、国連は道の反対側なので、すぐにどうということはありません。でも、雨もまだ少し降っているし、始めるのを少しためらっていたのですが、そのうち、数人ですが、Sean の友人たちのお客が集まり始めました。                             うーん、やるっきゃないのか。ということで、とにかく、しばらくして演奏を始めました。ところが、Sean の音は、道の自動車の音に消されてしまって、かすかにしか聞こえません。こちらも、我ながら、ちょっと怖気づいている感じで、ぱっとしていません。でも気が付くと、雨は止んでいて、警官とか警備員とかも何も言って来ません。「何だ、大丈夫じゃない。何も心配することないじゃない」だったのです。でも、演奏の方は、さえないまま10分ちょっとで演奏を止めてしまいました。調子悪いなあ、と思っているうちに終わってしまったのです。   でもでも・・・、犬には受けていたようです。警官のことではありません。本当の犬です。ここは、近所の人の犬の散歩道らしくて、演奏している間に、犬が二匹ほど通ったのですが、二匹とも興奮して(?)サックスに向かってほえていました。ということで、国連のまん前という場所で、「二匹の犬を相手に演奏しました」ってことなのでしょうか。

ところで、米国政府の関係施設だったら、多分近寄ることも出来なかったでしょう。国連と、米国は全然違うという感じは受けました。

さて、二日目、土曜日です。ずっと下って、ロウアーイーストと呼ばれるあたりです。       その辺りのイーストリバーの川沿いはずっと細長く公園になっています。その一角に簡単な野外音楽堂があるのです。実は、五〜六年前にも来たことがあるのですが、当時は、荒れ果てた野外音楽堂で、それなりの荒廃した雰囲気はよかったのです。ただし、入るには柵をくぐり抜けなくてはいけなくて。警官も時々チェックをしていて、落ち着いて演奏できる、という感じではなかったのです。今は、簡単な作りの野外音楽堂です。囲いも何もなくて、四方八方から自由に入れます。500人くらいは座れるくらいの広さかな。 Sean は公園の管理局(?)に一応電話をしたらしいのですが、相手が「それどこ?」といった感じで、全然ラチが明かなかったらしくて、許可はとってありません。で彼は、ここの場所の方が、警官などに注意されるのではないかと心配をしていました。まあ、でもとりあえず誰もいません。お客も10人以上来てくれています。簡素なステージなのですが、客席から見ていると、バックには、時折、イーストリバーを行く観光船が見えます。 Sean の音もステージの音響効果のせいでしょうか、きちんと聞こえます。昨日より、ずっといい感じです。音楽になっていました。警官とかも、姿を見かけません。まあ、近くで、二〜三十人が、集まって何か音楽をかけて騒いでいますが、でもちょっと離れているので、我慢できる程度です。                                             今年は、ここだけが川が見える場所です。去年は、もっとずっと川に近い場所だったので、サックスの音を出したとたんに、たくさんの水鳥が、さーっと飛び立って、遠くへ逃げて行くのを、呆然と眺めていたこともあったのですが、今年は、そんなこともなく、ここから観光船を眺めただけです。

三日目、日曜日です。ちょっと下って、チャイナタウンの外れです。地下鉄のガード下です(?)。ここでは、地下鉄が、トンネルではなくて橋で川を越えているので、その橋のふもとでは、かなり高いところを地下鉄が走っています。5階建てのビルくらいの高さでしょうか、しかも地下鉄と道路の一緒の橋なので、幅もあって、かなり広々としたガード下です。強い風が吹くと、ビニール袋のようなゴミがずーっと遠くの方から、あちらからこちらへと、飛んでいきます。ガード下なので、音も反響してよく聞こえます。ただ、もちろん地下鉄が通るときはうるさいけれど、高いところなので、それほどひどくはありません。ただ、ちょっと薄暗い。ガード下には何も明かりがありません。あったけど、壊れているのかな?ガード下の一方は大きな通りで、一方は少し明るい小さな公園なので、不安はないのですが、いっしょにやっているSeanの姿が良く見えません。彼は橋げたの近くにいるのですが、場所が広すぎて、そこは遠くて暗くて、ぼんやりとした人影にしか見えません。音はきちんと聞こえます、でも、通りすがりの人には、誰がどこから音を出しているのかわからないでしょう。演奏を終えるときにちょっと困りました。見えないのです。で、彼の近くまで歩いていって、やっと「おしまい」とやったのです。 小さな公園の方に、ヒスパニック系のあんちゃんが二人ベンチに座っていたのですが、終わった後で、そちらを通ると、「もう終わっちゃうの?」とか声をかけてきました。警官や警備員からは、結局、三日間なにもなかったのですが、このヒスパニックのあんちゃんの声援が、唯一の、知り合い以外からの反応でした。   (了) (2002.07)

8/1、8/3

新宿西口カリオン橋上(小田急デパート前歩道橋)