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白石民夫 Shiraishi, Tamio

皇后区 だより     ニューヨーク公園 二景

 

平成の奇才・白石民夫が送るニューヨークはクイーンズからのメッセージ! 

何気ない日常の中に、9.11以後の米国の底流を探る。

 

ライブ情報!

8/2

渋谷アップリンク

 

 

8/1、8/3

22:00 ソロ

新宿西口    カリオン橋上 

 

2002年7月某日 (土)  

土曜日なのに何故か早く起きてしまった。                         

で、朝から元気良くということで、7時頃から、歩って10分ほどのところにある公園 ( Flushing Meadows Corona Parkと言います)の池の周りを散歩です。                     

行ってみると、この週末は何故か、Native American のPow Wow(何のことだろう?わからない)ということらしくて、公園の中央、池のボート乗り場のあたりにはテント(普通のテント、西部劇のではありません)が10個くらい作ってあります。昼間には、民族衣装(?)とかでもならべて売っているのかな?でも、まだ朝早くて、何もやってません。                    

 まあ、何人かそのあたりでうろうろしているんだけれど、あまりNative Americanらしくは 見えない。そういえば、純粋なNative Americanは少なくなっていると聞いたことがあるくらいで、ニューヨークのクィーンズ(中国語では皇后区と書きます)あたりにいる人では、いろいろの混血の人が多いのかもしれない。                                           

何にもやってないので、単に通り過ぎるだけです。で、少し歩って池の反対側のほうまで行くとちょっと静かです。二〜三人が太極拳をやっています。もちろん中国人だと思います。       そう、この公園は、その他の国の出身の人がかなり多いのです。ラテンアメリカ系の 人が一番多いかな、それ以外の中国、韓国、インドとか、いろいろたくさんいます。 さて、太極拳で、「中国の朝」だ!とか思っていると、その先になんと、座禅をしている人 までいました。一人だけなのですが、池のふちに座って、朝日に向かって黙想していました。 中国人かなあ? 実は池の水はけっこう汚い。小さな立て札ですが「池の魚は汚染しているから、釣っても食べないように!」と書いてあったりします。でも鴨とかの水鳥はけっこういます。その座禅をしている人のちょっと先では、一羽の鴨が何と二十羽くらい(よく数えられない!)もの雛を引き連れて泳いでいました。でも水が汚いので、残念ながら、自然の中を散策しているっていう気分にはなれません。

ということで、何事もなく、散歩は終りです。帰り道では、赤信号を無視して走ってくる 自動車(時々いるのです)がいたので、「信号くらい守れよなぁ」とため息をついていたんだけれど。  

さて、お昼頃は、今度はマンハッタンです。                               

まずは、くそ暑く、くそ寒い地下鉄です。つまり、今日は夏にしては比較的快適な日なのですが、駅の構内はとんでもなく暑いし、電車の中は寒いのです。                     

  (冷房が故障していなければです。 時々、冷房が故障しています。すると、がらんとした車両に、我慢大会のように真っ赤な顔をした人が二三人だけ乗っている、ということになります。もちろん、その前後の車両は満員になります。)で、今日は冷房は効いていますが、中で体操をやっているアンちゃんがいました。 電車の中の横棒(吊り輪の代わりのようなもの)を鉄棒のようにして、逆上がり(?)みたいなことをやっているのです。何となくブキミなので、みんな近くによるのをためらっています。時々こういうハイになっている人がいます。                        そういえば、一度電車の中で三〜四人でバスケットボールをやっているのに出くわしたことがあります。それに比べればたいした事はありません。まあ、とにかく、しばらくするとそのアンちゃんは下りて行きました。                                              

何となくみんなほっとしていたのですが、急に、電車のアナウンスがここから先は、行く先がいつもと違うヨ。というではありませんか。しかも電車のドアを閉める直前になって初めてアナウンスするのです。思わず立ち上がって、でも、地下鉄マップを頭の中で思い浮かべて、ああちょっと歩けばこのままの電車で大丈夫と、思い直して、また席に座りなおしたのです。まあ、中央線に乗って、東京まで行こうとしていたら、中野の駅で、とつぜん、この電車は東西線に行くよ、と言われたようなもんです。もちろんそれ以前には何のアナウンスもないし、駅にも何にも掲示なんかありません。                                                     

さて、今日の目的地は、ユニオンスクェアです。ここも公園( Union Square Park )ですが、 場所がマンハッタンのイーストビレッジの入り口といったところなので、さっきの公園よりずーっとずーっと小さいけれど、かなり人が多い公園です。殆どが若い人で、欧米系の人が多い。 多くはアメリカ人でしょう、少し日本人などのアジア系の人もいます。                  

で、そこの公園で、毎週土曜日のお昼頃にやっている「戦争反対」の集まりに来たのです。いつも20人前後くらいが、No More WARとか書いた垂れ幕を持って、公園の一角に立っているのです。集まりといっても、ただ単に立っているだけですから、まあ、あまりぱっとしたところはありません、それに実は比較的年配の人が多いのです。 半分くらいは若い人かな。  立っていると、時々 Thank You とか言って通り過ぎてゆく人もいます。逆に「アメリカは勝つんだ」とか「核兵器でやっつけてしてしまえ」とか好戦的な捨て台詞を言って行く人もいます。ここでは、実は好意的な反応のほうが多いのですが、現在のアメリカではこれは例外です。「戦争反対」は少数派です。                                

実際、クィーンズのある町でも同じように「戦争反対」の札を持って定期的に立っている人たちがいるのですが、垂れ幕ではなくて、ノートを大きくした程度の札を持っているだけです。 一度行ったことがあるのですが、年配の人が殆どだし、車椅子のおじいさんもいて、五〜六人くらいで地味にやっていました。                      

 さて今日は、一緒に垂れ幕を持っていたおばあさんといろいろ話をしていました。 彼女は春頃から参加している人で、何か組織に入っていたわけでもないけれど、 とにかく最近のアメリカ政府のやりかたには、大いに不満でここに来るようになったようです。 今日は、第二次大戦のころにプロペラ工場に行った時のことを話していて(工場で仕事の手伝いをしていたのかな?まあそのくらいの年齢のおばあさんです。)、Zero Fighter とか言ったので、「ええ?!」、ああ、「ゼロ戦」のこと!とか感激していました。「ゼロ戦」なんていう単語は日本語の会話でもまず出てこないもんね。                                                

で、こちらが下手な英語で話をしていると、急に近くで演説のようなのが聞こえます。 振り向くと、近くで、黒人のあんちゃんが(レゲエのヘアスタイルをアップにしたような ヘアスタイルです)、向こうの方をむいて演説しています。              こういう英語もわからないんです。(要するに、英語はよくわからないんだよね。) 声は聞こえるけれど、何を言っているのか、どういう考えなのか、全然わかりません。               

いっしょに垂れ幕を持っている人たちが無関心を装っているので、俺も隣のおばあさんとの雑談を続けていたのですが。で、少しすると、黒人の警官が二人、このあんちゃんを止めに来ています。いつも我々を胡散臭そうに見ている警官です。まあ結局、警官に気勢をそがれたのでしょう、演説を止めて向うに行ってしまいました。                               

 いずれにせよ、俺にはどういう演説なのかがわからないのでぼーっと見ていただけなのです。 こんなふうに、誰も聞いていないのに、みんなそっぽを向いているのに、いやがっているのに、しかし、大声で、堂々と、長いこと、演説をしています。時々いるんだよね。でもやっぱり何を言っているのかわかりません。

まあ、というようなわけで、ユニオンスクェアへの訪問も、何事もなく、終わりました。

(追伸) ところで一週間ほどたってまた池に散歩に行ったら、鴨の雛は9羽(今度はすぐ数えられる!)になっていました。半減です。自然はきびしい。              (了) (2002.07)