japanoise.net

 

 

 

 

 

 

ELMA

methadone

 

SMK

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TOP

Noisician’s Talk
ELMA&SMKヴァーチャル対談

自在に活動するジャパノイズ・アーチストELMA・上田英生とSMK(Serdical Mental Klinik)・今子俊一が、鳥取と神奈川という空間の制約を越えて自由に語り合うヴァーチャル対談。ぼくらにとっとてノイズって何なんだろう。     

 

       ELMAの新作はjapanoise.SHOP でお求めいただけます。>>クリック

 

SMK ノイズとの出会いは、Merzbowの1930です。といっても、その前に いろいろなレーベルのページでマゾンナや灰野敬二なんかのMP3を聞いたりしてた んですけど。 で、Merzbowを知って冒険みたいな感じで買ってみたのが1930なんです。 ホントにノイズを聴くという感じで買ってみたのが、かなりグッっときて 浸っちゃいました。普通の音楽しか聴いてなかったので、ノイズはくだらないもの とか 普通の音楽へのアンチテーゼみたいなイメージしかなかったんですが、これですっ かり変わりました。 んーただ今思うと、1930(というかMERZBOWが)はノイズとか関係無しに 単純に好きな音だったんだと思いますけどね。それこそ過激な電子音楽みたいな・ ・・。 テクノが大好きだったんで、やっぱこれだけ電子音が飛び回っていると 気持ちいいですね。 上田さんのノイズとの出会いはどうですか?

ELMA: 私とノイズとの出会いですが、ノイズ以前に聴いていたものがまずベースにあって そこにノイズがうまくはまったという感じです。 ありがちなパターンですが、中学の終わりから高校あたりにかけてタンジェリンド リームとかクラウス・シュルツ、クラフトワークなどのジャーマンロックとか、ジャパノイズで も紹介させてもらったエルドンとかばかり聴いていました。 それにNHK・FMの現代音楽の時間もよく聴いていました。 このへんの電子楽器を用いた音楽というのが、それまでほとんどまともに音楽を聴か なかった私に妙にぴったり来ました。 その延長線上にノイズが位置しているわけです。

その後、ノイズというものをはっきり意識したのが今子さんと同じくメルツバウでした。 メルツバウというか、秋田昌美という名前は、この頃時々読んでいたフールズメート という雑誌のレコード評なんかを書いていたので知ってはいました。 で、そんなこんなでアナログレコードを買い出したわけです。

何を最初に買ったのか、記憶がはっきりしないのですが、 この頃出た「抜刀隊」は、メルツバウの全作品の中でも最高傑作だと思います。 とにかく妙なユーモアとシリアスさが同居したストレンジ・コラージュなのですが、 自分の作品作りにも多大な影響をいまだに与え続けています。

SMK やはりジャーマンロックなどからノイズに繋がるのも分かります。 僕のテクノからノイズとほぼ同じではないかと思います。 ただノイズといっても、暴れまわったり何かを破壊したりするようなノイズは好きで はありません。 あとはギターノイズなんかも苦手です。はじめからノイズというやつです。 というか、ノイズ自体苦手なものが多いのでノイズというか、 メルツバウやMego周辺のPitaのような電子音楽やミュージックコンクレートが 極端になってノイズになったようなものが好きなんです。 ノイズという風に考えると、例えばノイズシーンみたいなのがあるとすれば 保守的で面白いものが無いと思います。そんなに聞いたわけでもないんですけど むしろそのノイズに影響を受けた連中のほうが面白いです。 僕が影響を受けたのはやはりメルツバウなのですが「Tentacle」とか 「Dharma」が強烈です。空間を切り裂くようなノイズが素晴らしいです。 もし音を触れるとしたら、一瞬で切れてしまうような質感ですね。 それこそ寄生獣みたいな感じで(笑) メルツバウ以外にノイズでのフェイバリットはありますか? 抜刀隊をリアルタイムに聞いていたのなら、SPKやWhitehouseなども 聞いていたのでしょうか? 僕はノイズではないのですが、ノイズっぽいと言われている イレイザーヘッドのサントラ盤が大好きです。はっきりいってインダストリアルノイ ズ なんですが、暗い質感と雰囲気がたまらないです。 サントラ盤といっても、映画の「音が鳴っている部分」を集めただけの ものなんですけどね。 ちなみに純粋なノイズのCDはあまり持っていません。 なので、そこらへんの情報に関してはかなり疎いと思います。

ELMA ノイズのフェイバリットといってもメルツバウの影響が大きす ぎてちょっと思いつきません。 SPKとかスロッピング・グリッスルも聞きましたが、正直言 ってあまりピンと来ませんでした。 ライブの映像なども見たこともないので、単純に音だけの印象 なのですが、色々な人が言うほどそんなにすごいものとは感じ られませんでした。ずいぶんとあっさりしていて、音に奥行きが感じられませんでした。 それよりも一応ジャーマン・ロックにくくられているのですが コンラッド・シュニッツラーという人にはかなり影響されました。 ご存知かもしれませんがロックと現代音楽の中間のような場所 で長年活動してきた人で、クラスターの最初のメンバーでした。 この人の音を言葉で表現するのは難しいのですが、様々な電子 音がリズミカルにこだましながら流れていきます。 特に空間的な広がりがこの人の特徴だと思います。 もちろんいわゆるノイズではないのですが、彼の音を聞いたと きに思い浮かべるものが、ノイズを聞いたときのそれと重なる ので、個人的にはノイズとかなり近いところにあると思います。あと、日本のアーテイストでは灰野敬二、裸のラリーズなどで すね。特に灰野敬二は何の予備知識もないままライブを見て、 大変衝撃を受けました。本当にこの時代のアンダーグラウンド の世界の存在を実感しました。

現代音楽寄りのロックというのがどのあたりを指すものか、 なんとも言えないのですが、実はフランク・ザッパは聴いたこ とがありません。 ジョン・ゾーンはどこかでライブを見たような気がするのです が、印象というのは、その記憶自体あいまいな程度でしかあり ません。自分は、音楽の好みは結構狭く、しかも偏っていると思います。 結局、ジャーマンロック、ノイエ・ドイチェ・ヴェレの一部( 当然コニー・プランクははずせません)とごく一部のユーロ・ロックぐらいしか聴かないできました。 東京にいた頃、ライブといえば本当マイナーな、ジャンルわけ が難しいようなものばかり行っていました。 ノイズというのもそういった一群のアンダーグラウンドミュー ジックに触れる中で自然に耳にするようになったものです。 自分の中ではその時のアングラな要素を最も色濃く残している のがノイズということになると思います。 しかも、鳥取に引っ込んでから現在の状況をよく知らないまま でおり、80年代の残りかすのようなものが変形、肥大化、発酵 して現在のELMAになってしまったのではないかという気が します。 今、本当にCDもめったに買いません。何がどこでどれくらい 流行っているのかもよく知らないのです。 今子さんのような、若い方が、しかも現在進行形でノイズなど に触れている状況とは少し違うのではないかと思います。 たとえば、今子さんの目から見てノイズ、あるいはノイズに限 らず現在の新しい音楽などはどういう風に感じられるのでしょう?

SMK SPKやTGなんかはノイズというか、昔のテクノという印象を受けますね。 聞き始めがハーシュだったりメルツバウだったのが大きいと思いますが Whitehouseなんかもいろいろ言われてるほどすごいとは思いません。 なんというか、行為自体がすごかったのではないかなという感じがして 例えばああいうビジュアルとコンセプトと・・・というような。 やっぱ歴史的なものが大きいのでしょうけど、今聞くと かなりショボイのはしょうがないですね。SPKの1stはまぁまぁ好きですけどね。 上田さんは現代音楽寄りのロック系の影響が大きいようですね。 現代音楽とロックといえば、フランクザッパなども聞いているのでしょうか? あとジョンゾーンなんかは聞きますか? 僕もノイズを感じさせてくれる音楽が好きなのかもしれません。 前に書いた連中とかそのままなノイズのアーティストも含まれていますが ダイレクトにハーシュノイズというのは少ないと思います。 僕もこれらを聞いたときに、それと重なるのでノイズ以上にノイズというか・・・ 説明しづらいんですけど。 ダイレクトにノイズとなると一気に飛んじゃいますが、インキャパシタンツです。 意図して轟音を出したいと思うときに、まずイメージするのがインキャパなんです。 ひたすら轟音を奏でるという部分に惹かれるのと音に無駄が無いのもいいですね。 まさに純粋ノイズという言葉がピッタリです。ハーシュノイズというジャンルだと世 界一では?と思います。 最近よく聞いているというCDはありますか? あとは最近買ってとてもよかったものとか。 僕は基本的に何でも聞くのですが、本当に好きなものは少ないです。 その好きなものというのがジャンルで言うと、音響とかエレクトロニカが 多いですね。ノイズもエレクトロニカ寄りのノイズが多いと思います。 上田さんのように、リアルタイムにアンダーグラウンドの音楽を 経験していないので、そういう音に関してはかなり疎いです。 特にバンド形態の音楽は全然分かりません。 元々、ライブハウスなどは滅多に行かないので分からないのかもしれません。

ELMA  たとえば、今子さんの目から見てノイズ、あるいはノイズに限 >らず現在の新しい音楽などはどういう風に感じられるのでしょう?

SMK昔からある「ノイズ」と言われるノイズは、やはり古いというか ヒップホップで言うとオールドスクールな感じかもしれません(笑) ただこういうジャンルは、どのようなものがあるかも分からないですし 昔でも物凄い音とかやりかたをしてるようなアーティストもいたりしますし、 ノイズは未だに分からないものではあります。 現在の新しい音楽などは、昔のものが進化した形態ばかりですね。 というか、これだけ出尽くしていれば当たり前のような気がしますけど。 98年ぐらいに出尽くしたというような話が多かったと思いますが、 5年経った今も変わらないと思います。 ただエレクトロニカと呼ばれるような電子音楽は勢いがすごいと思います。 やはりソフトウェアなどの進歩によって、それなりのものをセンスがある人なら 簡単(お金や手間など)に作れるようになったというのが大きい気がします。 かくいう僕もそうですし。

あと最近思うのがノイズの偏見みたいな のが無くなってきたような気がします。 細かいことを話すとキリが無いのでやめますが、簡単に言うとノイズも電子音楽や ハードコアとして 認知されてきたような気がします。日本でもこういう音を置くレコード屋が多くなれ ばいいと思いますね。 なんだかんだで、手に入りづらいのは変わっていませんから。 最近、モジュレーションという映画を見たのですが、やはり電子音楽は表現の手段と して とても便利(?)というか、表現しやすいものだと思いました。 映画の中でピエールアンリが言っていたのですが、頭の中で鳴っている説明のつかな い音 などを表現できるのがミュージックコンクレートだといっていました。 まさにその通りで、思いついた音をダイレクトに表現できるのが電子音楽なんです ね。 で、もっとわけがわからなくなるとノイズなんでしょう(笑) 特にリズムが無いものなどは、制約や決まりやアイコン化したような音というのが無 いので 個々のアーティストの個性が出やすいのではないかと思います。

ELMA 僕も機材などにお金がいかないので、あるものでやっているという感じです。 でもそのほうが今ある機材の良さを引き出せるような気がしますし、 自分の体の一部というか。説明しずらいのですが、機材は少ないに 超したことはないと思っています。 音作りの上では、いろいろ試行錯誤しているのですが、同じソフトを使っている人 が仮にいたとすれば、使いようによっては個性のない誰がやっても同じような音にな る危険性はついて回ると思います。そこのところをどうクリアするかは、常に意識している部分なのですが、今子さん は どうお考えですか?

SMKこれは常に葛藤する部分ですね。例えば自分が発見(?)というか作り出した音でも なんかのCDに似たような音が入っていたりすることがあったりします。 つまらない音は作りたくないので、自分の音無しに機材やソフトウェアに依存した音 を 作ってしまうのは極力避けています。 なにかのアイデアがあったり、頭の中で音が浮かんでいたりするときに作ることにし ているので 適当に音を出したのを録音ということは滅多にしないんです。 それでも何かに似てしまったり個性が無い音が生まれる可能性も全然ありえます。 ここは・・・難しいですね。常についてまわる問題だと思います。 でも逆に新しい音とか変わった音というのを意識しすぎてもしょうがないので 自分が良いと思ったものは、基本的によしとしています。

ELMA今子さんの目指す音とはどういうものかも含めてお聞かせ願えないでしょうか?

SMK目指すものと言われると難しいのですが、その時その時の気分や作りたい音によって 音は全然違ってきますが、一言で言うなら「響く音」です。 ライブハウスでも家でも、僕の音が流れたらそれが響くというのが夢というか理想で す。 ただ一つのコンセプトや目標だけで作っていても飽きてしまったり、つまらなくなっ たりするので 音で遊んでみたり、めちゃめちゃなことをやったりもしますけどね。 (2003.08.22UP)

 
         

ELMAの新作はjapanoise.SHOP でお求めいただけます。>>クリック