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Noisician's Profile
Inner Trance Organ

Inner Trance Organ" ライブ報告    NEW   

伊藤まく率いる不定形ノイズ〜パフォーマンス集団“Inner Trance Organ”。 

高円寺ペンギンハウスにおける2ndピクニック報告。ルーツ・ミュージックの香りもかすかに漂うオリジナル・ フォークロックを披露!

[ITO次回ライブご案内]                                             5.29(木)西荻窪ビンスパーク開場7時、開演7時半。共演:花木霊(コサカイフミオ+山案籠)、sachiko(solo)(from OVERHANG PARTY)、怖(COA from 兵庫)。 フライヤー>>] 

Inner Trance Organ プログレッシブ・ノイズセットNORD(伊藤まく solo)with ITO:伊藤まく (Electronics、G)、長久保隆一(B)、あだち麗三郎(Ds)。[Guest:タバタ ミツル(ZENI GEVA)、大村雄一郎(I-N-I)]         

ライブのたびに180度異なる演奏コンセプトを披露する Inner Trance Organ(ITO)。5/29のテーマはずばり、「NORDサウンドの解体」(副題:「観音ワンダーランド」)。従来NORDが持たれてきた固定観念(そんなものがあるとすれば、だが)の打破といおうか。わかりやすくいえば、全国に10人くらいはいるかもしれないマニアックなNORDリスナーが「こんなんはNORDじゃねい!」とブーイングするようなサウンドを目指す。そう、エレキギターを抱えザ・バンドを従えて出てきたディランが浴びた罵声のようなものを想像していただければ良いかもしれない。しかも今回はゼニゲバ、MonsterDVDのタバタミツル、I−N−Iの大村雄一郎らツワモノを迎え、当日会場に足を運ぶなら、サン・ラならぬノイズ・オーケストラとも呼ぶべき演奏に遭遇できるかもしれない。   

なおこれを機に、伊藤まくと方山は15年以上続いたユニット活動を停止し、以後「藤子不二雄状態」に入る。 すなわち藤子不二雄A(「笑うセールスマン」)と藤子F不二雄(「ドラえもん」)のように、伊藤と方山で二つのNORDとして(サポートメンバーを補充するなどして)別々に活動していくことになる。                音楽界でいえば、クリス・スクワイアとジョン・アンダーソンの二つの“YES”の活動も想起される。         理由は音楽志向性の相違で、伊藤はよりライブな感覚のインプロ〜パフォーマンス志向と、エレクトロニカ等の音響志向という二面性を推し進めていく。方山はかつてのジャーマンロックをサンプラーで再現するといった予定調和的展開を志向していく。

 

Inner Trance OrganITO  2ndピクニック報告

2003/3/28 高円寺ペンギンハウス: Inner Trance Organ フォークロック・セット(“Stoned Soul PicnicVol.2”伊藤まく(G)、長久保隆一(B)、増田めいこ(Kb)、あだち麗三郎(Ds)。/スズキジュンゾ主催Planks Plan Vol.12、共演:タバラカスサランギ、フクロ、スズキジュンゾグループ/

テーマは「2003年のはっぴいえんど」。サイケやトラッド、スワンプ等のルーツミュージックの香りもかすかに漂うオリジナル曲を披露。

Inner Trance Organ  を観て聴いて   (by リカルド:「アラン島小舟通信」主宰)

イケナイ大人の企みと言うか。。  

伊藤さん直々にノイズではなく、フォークロックで行くと言うメールを頂いてたので 楽しみにしてた訳だが(だって、あの"NORD"の伊藤さんが、ですよ!?)  

もう、嬉しくなるくらいに軟弱(笑)…って、いや、誉め言葉なんすけど。

ロックはロックでも王道美少年系アイドルGS (タイガースとか…伊藤さんの声質は加橋かつみに少し似てるかも)の甘ったるいテイストも感じた。                 

技術的にも安心して聴かせてくれてる筈なのだが、(あ、でもドラムスの彼、はたちですか!?)どうにも油断がならない(笑)。いや、気を許してはいけない感じがする。(御代官様もお人が悪い。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長久保隆一(B)あだち麗三郎(Ds)増田めいこ(P、Kb)伊藤まく(G、Vo)

 

さて主として楽曲解説を軸としつつ、演奏曲目の解題をさせていただきます。    (報告:伊藤 まく)             

さて今回 ITOが披露したオリジナル曲は実は一曲一曲がそれぞれ以下の方々に贈られています。        1曲目:Life Behind :亡き父に捧げます                                          2曲目:砂丘     :ELMAさんに贈ります                                        3曲目:橋の上で  :白石民夫さんに贈ります                                       4曲目:In a Monotonous Moment:K2草深さんに贈ります                             5曲目:最後に丘に上れ:「最終兵器・彼女」(ビッグコミックスピリッツ連載)の"ちせ"ちゃんとバクダッドの子供達に贈ります。 ちなみにここで名前が上がった方々の音楽性とこれらの曲は「まったく」関係がありません。 その答はライブを見ていただいた方にはわかるようになっております。

ライブでは冒頭10分近いフリー・インプロピゼイションを展開。             実はこのような演奏をすることは予定外で、当日演奏直前に会場横の階段のところで長久保さんが発案し、それに伊藤がのって決まりました。                 長久保−足立のリズム・ラインは、ちようど一週間前の横浜駐車場スペース−Pでの、インプロピゼイションを経て、フリーに呼応しあうコンピネーションを披露。         特筆すべきは増田めいこの、現代音楽の響きをブレンドした生ピアノのフリーなプレイ。この曲に限らず、増田・あだちの20代組は当意即妙のスポンティニアスで質の高い演奏を展開してました。 ギターは、デッドなどのサイケデリックなインプロや、アーバンクロンピーやテリエ・リピタルのようなECM的なラインを少しだけ意識してました。

そのまま区切りなく、アップテンポの1曲目“LIFE BEHIND”へ移行。 この曲の曲想は実は、ラーガ・ロックというか、そんなにあからさまではないですがインド的な旋法(ジャズでいうモード奏法)をベースにしています。 こういうのをロック・バンドがやるとペンタトニック、ミクソリデイアンのスケールー発!みたいな展開になることが多いのです。しかITOの場合は、シンプルな代理和音をアンサンブルで創り上げて、コード的な色彩感を広げることを試みています。                                               詳しくいえば、ベースとキイボード&ギターでは異なるコード進行が設定されています。 ちなみに、今回演奏した5曲のうち4曲が、このような、ベースとキイボード&ギターが異なる進行をとる構造を持っています。ま、ライブなのであくまでシンプルに、という大前提のもとでですが。                              アップテンポの8ビートに載せた詞の中で一番歌いたかったのは、「こんな日はこの世界を出て、もう一度あなたに会いたい」 、という箇所。「涅槃で待つ」ではありません。

2曲目「砂丘」:カントリーロックの曲想。「ご覧、窓の外に世界の果てがある。この部屋がぼくらの辺境」と歌われ、フロンティアはぼくたちの心のなかにこそあることが示唆されます。                       ちなみにサピの歌詞は、ミケランジェロ・アントニオー二監督の映画「砂丘」にインスパイアされてます。この映画では、ロサンゼルス郊外の砂模地帯・デスバレー(死の谷)に迷い込んだ男女(大学の講師と学生)がドラッグのせいで幻覚を見ます。すなわち、広大な砂漠に無数の男女が横たわって愛し合っている、という幻影を。このシーンの撮影のために、何百組のヒッピーや学生の男女カップルがエキストラとして集められたとか。                                                                      そしてこのシーンの音楽として用いられたのが、グレートフル・デッドのリーダー、ジェリー・ガルシアのギター・ソロ。ギブソンSGの乾いた音色が、砂漠での二匹のサソリのダンスを思わせる、乾いた硬質な叙情を奏でていました。                   

さてITOの「砂丘」の演奏は、レイドバックしたカントリーワルツ。陽光に曝されたようなその一見明るい曲想が、かえってある種の哀しみを誘うとしたら、音楽的な試みの半ばは達成されているのかしれません。                      めいさんの生ピアノが酒場の古ピアノのような良い味出してます。 ギターは、クラレンス・ホワイトやディッキ−・ベッツのようなカントリーロックのテイストを踏襲しています。

ぼくはペンギンハウスのウッディ−な壁や調度を見たときに、「あ、ここはカントリーロックにこそ相応しいな」、と直感したのです。「ここでいつかカントリーロックを演奏したいな」、と。 で、その憧憬に似た気持ちは、この曲をたっぷりと演奏できたことで、かなえられたのでした。

3曲目「橋の上で」。ゼニゲバ・タバタさんの評「ブリティッシュ(プログレ)経由のフォークロック」。        このコメントは良いところを突いていると思います。                                    これはブリティッシュ・トラッド的な進行のごくシンプルなやつです。 カントリーの米国移入前の源流を辿っていけば、ひとつはアイリッシュ・トラッドに辿りつくと考えています。で、この曲のギターソロで意識したのは、たとえばスティブン・スティルス がアコースティックギターでアパラチアン・メロディーを弾いている演奏とか(たとえば、“Cost of Freedom”)。これはアイリッシュにまっすぐつながっていくのです。                                                                                   ライブ演奏において特筆すべきは、長久保/あだちのリズム・セクションの対応。 すなわちぼくらの直前に演奏したタバラカス・サランギの得意とする土俗的リズムを早速取り入れて (耳が良い!)リズムを血肉化したことです。歌ものでこういうリズムをうまく採り入れるのは、インストでストレートに演奏するよりある意味、難しい。 この貢献があって、フォーク弾き語り的な原曲のニュアンスが、大きくバンドサウンドの色彩を帯ぴたわけです。これがタバタさんなどのいう、ブリティッシュ・ブログレ的印象につながっているのではないかと思います。でもたとえばピンク・フロイドとかのギターはブルースロックなので(クリムゾンは違いますが)、同じブリティッシュでもむしろウイッシュボーン・アッシュ(ドラゴン・アッシュではない、ベタ)などに、音楽的に通ずるものがあるかもしれません。                                                           めいさんのピアノは、古楽の要素も備えたクラシカルな美しいプレイ。「青い月の光浴びて、君の胸白く・・・」あたりのブレイクでのフレーズは、ゾクッとするような美しさを湛えてました。                     

>ロックはロックでも王道美少年系アイドルGS (タイガースとか…伊藤さんの声質は加橋かつみに少し似てるかも)の甘ったるいテイストも感じた。:リカルドさん評

お、GSですか!そんなこといわれたの生まれて初めてですが(笑)。 しかもトッポ(加橋かつみ)という人は、GS界きっての美声といわれた人ですよね。 それはなんぼなんでもあり得ない〜というか、もったいのうございますだ、お代官様。でもそんな「美しい誤解」もありか、と。                                 というのも思い当たるフシはあるのです。GS後期からニューミュージック草創期への橋渡しをした作曲家・村井邦彦の仕事は、 個人的に評価してましたし・・・(ちなみに作曲家ではバカラックに影響受けました。ひねくれた代理和音の使い方とか転調のしかたとか・・・)。 そんなこんなも、この「橋の上で」あたりには無意識に顔を出していて、音楽的嗅覚の優れた方には隠れたGSのDNAを感じとっていただけたのかもしれません。

4曲目“In a Monotonouse Moment”。 この曲の曲づくりでは、近代作曲作法をわざと無視したような、おかしな代理和音、分数和音を駆使してます。これはバカラックの影響かな。普通に聴きやすくできているのに、じつは良く分析するとヘンな進行、というのが好きなのです(関係ないけど、ケミカルブラザースとかも、ときどきヘンな進行使ってますね。あれは最初からヘンに聞こえますけど)。                        この曲では、特に冒頭4小節の不思議なコード感がもろオリジナルだと自負してます。たぶん、誰もやったことのない進行ではないかな、と。

で、ITOの演奏は、長久保さんのフレットレスベースのスライドする音程が、この 「不思議コード進行」の「浮遊感」をみごとに表現!  熱帯魚の水槽をうたった歌詞の冒頭とも呼応して、不思議な「ゆらゆら感」をみごとに表現しています。                                                          この曲の演奏でのもうひとつのポイントは、めいさんのエレピ・サウンド。 フェンダー・ローズ、ウイリッツァーといったエレピ・サウンドは、今すごく見直されてますよね。 ラウンジ、モンド以降の傾向でしょう。 たとえばリチャード・D・ジェイムスのAphex Twinでは、エレピというか、ピブラフォン系の音色によるコード白玉弾きが多用されていますよね。                                                         その時々の流行りの音(質)、ってありますよね。で、このピブラフォン系エレピ音が、まさにそれ! たとえば山本精一「クラウン・オブ〜」聴いても、ムーンライダースの新盤聴いても この音がサウンドの要です。で今回ITOはデジタルクリエイトではなく、ライブ演奏なので。ちょっとねじれたソフト&メロウ、といったところでしょうか。                                                                    ギターは、たとえばデピット・T・ウォーカーとかの、ウォームで流れるようなメローなラインを意識してました。ウェス・モンゴメリー風のオクターブ奏法とかも採り入れて。                                 で、歌ですが、これはたとえば、タマの柳原幻一郎(でしたっけ?、めいさん)とか、 原マスミ(知ってますか?吉本ばななの装丁画家としても有名。前にやってたバンドでは、日芸の学祭に出たとき対バンでした)みたいな宇余り風・不思議くんヴォーカルを「目指し」ました(達成水準は別として、です・・・)。

5曲めの「最後に丘に上れ」だけが、男性ではなく、女性に捧げられています。 といってもリアルな女性ではなく、ビッグコミックスピリッツに連載されていた「最終兵器彼女」 (高橋新)に出てくる"ちせ"という女の子です。彼女は女子高生の姿をしているのですが、実は 地球を壊滅させるほどの力を持った「兵器」なのです。 正確にいえぱ、兵器に「成長して」いくのです。 そしてストーリーの最後には地球は滅びてしまう、という、ちょっとビターなSFファンタジーなのです。 そしてこの「成長する兵器」という仮構が今、とてもリアルに感じます。                                                                      街を見下ろす展望台というのは、主人公の少年とちせちゃんが初めてキスをし、最後に (地球が滅びる前に)交わるところなのです。神戸とか函館のイメージもダブるな〜。                            演奏アレンジはラストの曲にふさわしく、とてもハードなファンク・リズム。そしてそれに乗っけた歌のメロや進行は、実はボサノヴァに近いノリのクールなチューンだったりするのです。異質のものの出会いというか。     それとこの曲、四人囃子「空と雲の間へ」へのオマージュにもなっているの、気付かれました? リカルドさん。

というわけで、ITOの4人での初ライブでした(1stピクニックは3人)。次回(5/29西荻ビンスパ−ク)のITOはまったくちがったことやります。ヒントは「プログレッシブなノイズ」、「ノイズの未来形」といったところでしょうか? みなさん、新しい音の誕生にぜひ立ち会ってください。お待ちしてます。(2003.05.05こどもの日.UP)